無料・登録不要
手取り足取りクン
税額計算ツール(退職金/企業型DC・iDeCo・DB・共済)
手取りの計算を、手とり足取り——1ステップずつ「なぜそうなるのか」の根拠つきでご案内します。
そのまま印刷・PDF保存できます。
はじめての方へ:まず例を入れてみる
ボタンを押すと、よくあるケースの数字が入ります。そのあとご自身の数字に書き換えてください。
1
受け取るものを入れてください最大6つまで。使わない欄は「使う」のチェックを外します。
期間の入れ方:退職金・DBは「入社〜退職」、企業型DC・iDeCoは「掛金を出していた期間」を入れてください。
掛金を出さず運用だけ続けた期間(運用指図者)は、税金の年数には入りません。
⚠️ 死亡退職金・DCの障害給付金・iDeCoの脱退一時金・小規模企業共済の65歳未満の任意解約は退職所得ではないため、このツールでは計算できません(くわしくは下の「根拠」欄へ)。
合計の試算結果(概算)
受け取る額-
税金(所得税+住民税)-
実効税率-
3
計算書(なぜそうなるのかの根拠つき)1ステップずつ、式・理由・条文を表示します。印刷にもこのまま載ります。
4
受取年をずらしたら?選んだ1つだけ受取年を動かして、税金の合計を比べます。
「ずらせば必ず得」ではありません。同じ年に受け取ると、期間の長いほうの控除枠を合計額に対して使える仕組みがあるため、まとめたほうが安くなるケースもあります。上の表で、実際のご自身の数字を見比べてください。
⑤ 一時金と年金、どちらで受け取るかをくらべる(オプション)
同じお金でも、一時金(退職所得)で受け取るか 年金(雑所得)で受け取るかで、税金だけでなく健康保険料・介護保険料・医療費の窓口負担まで変わります。
※保険料は自治体ごとに率が違います。ここは目安の概算です。
保険料の率を調整する(お住まいの自治体に合わせる)
印刷画面で「送信先」を「PDFに保存」にすると、そのままPDFファイルになります。入力内容・結果・計算書(式+なぜ+条文)・適用ルールがA4にまとまります。
この計算の根拠(条文と数式の一覧)
退職所得控除額
- 勤続20年以下:40万円 × 勤続年数(80万円に満たないときは80万円)/勤続20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)
- 勤続年数の1年未満の端数は1年に切り上げ(所得税法施行令69条2項)
- 障害者になったことが直接の原因で退職した場合は100万円を加算(所得税法30条6項3号・国税庁No.1420)
- 根拠:所得税法30条3項/国税庁タックスアンサー No.1420
課税される退職所得
- 原則:(収入金額 − 退職所得控除額)× 1/2(1,000円未満切捨て)
- 短期退職手当等(役員等以外で勤続5年以下):控除後の額のうち300万円を超える部分は1/2にしない(国税庁 No.2740)
- 特定役員退職手当等(役員等勤続年数5年以下):1/2の適用なし(国税庁 No.2737)
企業型DC・iDeCoの「年数」
- 税金の年数は掛金を払い込んだ期間。企業型DCの加入者期間とiDeCoの加入者期間は合算します(所得税法施行令69条1項2号)
- 運用指図者の期間(掛金を出さず運用だけ)は入りません。受給開始年齢の判定に使う「通算加入者等期間」とは別物です(確定拠出年金法33条2項)
重なりの調整(いちばん複雑なところ)
- 今回がDC・iDeCoの一時金のとき → 前年以前19年内に受けた退職手当等が判定対象(施行令70条1項2号ハ)。相手が会社の退職金でも、前のDC一時金でも19年内です
- 今回がDC以外の退職手当等で、前にDC・iDeCoの一時金があるとき → 前年以前9年内(同号ロ)。ただし対象は令和8年(2026年)1月1日以後に支払を受けたDC一時金に限られ、それ以前なら従来どおり前年以前4年内です
- 退職手当等どうし → 前年以前4年内(同号イ)
- ⚠️ いわゆる「5年ルール→10年ルール」はこの「ロ」だけの話。「退職金が先→DCが後」の19年は改正されていません
- 引く額は「重なっている期間を勤続年数とみなして計算した控除額」。重なりの1年未満は切り捨て(施行令70条3項)
- みなし勤続年数:前の退職手当等の金額が、その期間の控除額に満たなかったときは、次の年数まで期間が縮みます(施行令70条2項・1年未満切捨て)
・800万円以下 → 収入金額 ÷ 40万円
・800万円超 → (収入金額 − 800万円)÷ 70万円 + 20
- 調整のあと80万円に満たないときは80万円(所得税法30条6項2号。調整後にも最低保障が働きます)
税額
- 所得税:課税退職所得金額に速算表を適用。復興特別所得税は所得税額の2.1%(〜令和19年)
- 住民税:退職所得の金額(1,000円未満切捨て)に対し、市町村民税6%と道府県民税4%を別々に計算し、それぞれ100円未満を切り捨てて合算します(地方税法・総務省の特別徴収税額早見表と同じ方式)。合計10%でまとめて計算するより最大200円小さくなることがあります。政令指定都市は市8%・道府県2%(合計は同じ10%)
年金で受け取る場合
- 公的年金等の雑所得。公的年金等控除は65歳未満 最低60万円/65歳以上 最低110万円
- 雑所得は総合課税で、国民健康保険料・後期高齢者医療・介護保険料の算定にも入ります。一時金(退職所得)は分離課税で、これらの算定には入りません
- 所得税の基礎控除は令和8・9年分の額(合計所得489万円以下=104万円/489万超655万以下=67万円/655万超2,350万以下=62万円)。住民税の基礎控除は43万円のままです
このツールが対応していないこと(正直な限界)
- 同じ年に「一般の退職手当等」と「短期・特定役員退職手当等」が混在する場合の按分計算(国税庁 No.2741)→ 対応外。役員チェックの混在時は概算になります
- 「退職所得の受給に関する申告書」を出していない場合の20.42%源泉徴収 → このツールは申告書提出済みの前提です
- 退職所得にならない受け取りは計算できません:死亡退職金(相続税・みなし相続財産の世界)/DC・iDeCoの障害給付金(所得税非課税。「障害が直接の原因の退職」の100万円加算とは別の制度です)/iDeCoの脱退一時金・小規模企業共済の65歳未満の任意解約(一時所得)
- 同一の会社からの打切支給後の2回目の退職金・退職金の分割支給・非居住者としての受け取り・「役員等勤続年数」の別入力(使用人期間が長く役員期間だけ短い場合のNo.2737の按分)→ 対応外・要個別確認
- DC・iDeCoの一時金で掛金期間が5年以下の場合の「短期退職手当等」該当性 → 公的に未明確のため、税額が多くなる側で計算し警告を表示します
- 受け取りが7件以上に分かれるケース → 入力枠は6つまでです
参照:国税庁 No.1420/No.2735/No.2737/No.2740、所得税法30条・同施行令69条・70条、確定拠出年金法33条、総務省(退職所得に係る特別徴収税額早見表・平成25年1月1日以降適用)、日本年金機構(2026年8月確認)
ここから先は、ひとりで決めないでください。
退職金・DC・DBの受け取り方は、一度決めると選び直しがききません。この計算は、勤続の起算日・加入開始日・その年の他の所得が1つ違うだけで答えが変わります。
このツールは「だいたいこのくらい」を知るためのものです。ご自身の数字で答え合わせをされたいときは、お気軽にご相談ください。焦らなくて大丈夫です。一緒に考えていきましょう。
お金の不安を、この先の希望へ
FPバード/鳥谷 威(CFP®・1級FP技能士)